子供の体力作りをするために親としてできること

近年、深刻な問題となっている子供の体力低下。肥満などの生活習慣病だけでなく学力や精神面にもさまざまな影響を及ぼすと言われており、体力作りの必要性が求められています。そこで今回は、子供の体力を鍛えるために親としてできることについて詳しく解説していきます。
子供の体力低下の原因って一体?
文部科学省によると子供の体力や運動能力は、昭和60年頃と比べて低下していると言われています(2015年11月現在)。その原因として考えられるのはどのようなことでしょうか? 次で具体的に見てみましょう。
- 遊ぶ時間が足りない
- 塾通い、習い事などで忙しい現代の子供たち。学校が終わってからも遊ぶ時間を確保することがなかなか難しいのが現状です。学校から親の送迎でそのまま塾や習い事に行く子供も多く、歩いて下校をする機会や外で遊ぶ時間が少なくなっていると言われています。
- 外遊びをする場所がない
- 学校から帰ったら外で思い切り走り回る……なんていうのは過去の話。今は、治安や騒音やスペースの問題などで子供が思い切り外遊びできる場所が少なくなっています。その結果、外遊びよりも室内遊びの時間が多くなってしまっているのです。
- 食生活の変化
- ファーストフードやコンビニが身近になったことで、子供たちの食生活が大きく乱れていると言われています。味の濃いものに慣れたり、いつでも好きなだけ食べることができたりという環境によって、肥満や生活習慣病などのリスクも高くなったと考えられています。
- 睡眠時間の減少
- かつての子供たちに比べて、圧倒的に睡眠時間が短い現代の子供たち。インターネットの発達により夜遅くまでゲームをしたり、メールをしたりする子供が多くなっています。就寝時間が後ろにずれ込むことで生活リズムが乱れるだけでなく、睡眠不足から免疫力が低下してしまうことも懸念されています。
子供にとって最適な食事を知ろう!
子供たちが健やかに成長するためには、正しい食生活が不可欠です。大切なのは成長に欠かせない「タンパク質」、エネルギーを作る「炭水化物」をはじめ「ビタミン」、「ミネラル」、「食物繊維」などをバランス良くとり一日三食しっかり食べることです。
例えば、雑誌やテレビなどでも紹介されている食品研究家かつ医学博士でもある吉村裕之氏が提唱する「まごわやさしい」食事は、子供にとって理想的だと言えるでしょう。これは体に必要な栄養素の頭文字を取った言葉で、具体的には下記のような食材を使った食事のことを呼びます。
「ま」……大豆や豆腐などタンパク質、ビタミンの摂取に役立つ豆類 「ご」……ゴマやナッツ類など、ミネラルやカルシウムなどを含んだ食材 「わ」……わかめ、昆布など、ミネラルや食物繊維の摂取に役立つ海草類 「や」……葉野菜や根菜など、ベータカロチン、ビタミンを含んだ野菜類 「さ」……タンパク質や亜鉛の摂取に欠かせない魚類 「し」……しいたけやマッシュルームなど、ビタミンや食物繊維の豊富なきのこ類 「い」……じゃがいも、さつまいもなど、食物繊維と炭水化物の摂取に役立つ芋類
子供にとって適切な運動をさせよう!
子供にとって運動は、心と体を健やかに育むために大切なものです。通学や帰宅など少しの距離なら車や自転車を使わずに歩く、外で遊べるときは公園で思いっきり体を動かすなど、日々の生活に運動を取り入れるようにパパやママが意識することが大切です。
適度な運動は体力や運動能力が向上したり肥満予防になったりするだけでなく、体を動かすことで空腹になり食事を美味しく食べられる、ぐっすり眠れるといったメリットもあります。ただし、子供がまだ小さいうちは運動をした後にお昼寝の時間を作るなどして、しっかり休ませることもお忘れなく。
子供たちの健やかな成長のためにも、今回紹介した内容を参考に食事と運動の2つに気を配るようにしましょう。